2010年3月15日月曜日

1-1)腎臓と貧血 はじめに 貧血の分類

1-1)腎臓と貧血
まずは、貧血の有無を診ています。
貧血は、ヘモグロビンという項目で調べます。しかし、透析の場合、慣用的にヘマトクリットの項目が長い間評価の対象にされていましたので、現在も、ヘマトクリットという項目を参考にする場合も多いです。
ヘマトクリットとは、血液(全血)をヘマトクリット管という細い毛細管にいれて遠心した場合に、血球の占める割合を示しています。
別の表現をすれば、赤血球が血液全体にしめる体積を表しているといえます。一方、ヘモグロビンの単位である、Hb/dlとは、デシリットル(dl)という単位体積あたりのヘモグロビンという色素の量を表しています。
ヘモグロビンが同じであっても、ひとつひとつの赤血球の大きさが小さければ、ヘマトクリットは低値になります。赤血球が小さくなる貧血の代表が鉄欠乏性貧血であり、透析患者さんにもよく見られます。
またひとつひとつの赤血球が大きくなるタイプの貧血では、ヘモグロビンに比して、ヘマトクリットは高値をとることになります。
このタイプの大球性貧血は、代表的にはビタミンB12 や葉酸の欠乏によるものが知られていますが、腎不全でも大球性の貧血になりえます。

rHuEPO(遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン)製剤が、発売されたのは、1986年7月であるが、発売前の透析患者のヘマトクリット(Ht)は、男性20.6%、女性19.0%であったという。しかし、rHuEPO製剤が流通した、2007年末には、平均ヘモグロビン(Hb)濃度は、10.27+/-1.32と、およそ5割も増加したと指摘されている。(臨床透析 25(11)、1579-1586、2009.)

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